電気エンジニア志望者または現役EEに不可欠なソフトウェアとは?
電気(または電子)エンジニア向けの技術系エンジニアリングソフトウェアパッケージは数多く存在し、さまざまな機能ニーズに応えています。同じ機能を対象とするブランド間の違いは、主に製品に組み込まれている機能によるものです。食料品店に行くときと同じように、自分が本当に必要なものと必要でないものを事前に把握しておくのが一般的に良い習慣です。また、自分または自社が支出できる範囲も考慮する必要があります。ここでは、あなたに必要なパッケージを見つけるお手伝いをします。
適切なソフトウェアツールはあなたにどう役立つか?
時間を消費する一般消費者向けアプリケーションとは異なり、エンジニアリングソフトウェアは主にあなたの仕事をより楽にし、(ソフトウェアを習得すれば)膨大な時間を節約するために存在するツールです。そのため、 自分が必要だと思うもの を探しながらも、実際に 必要になるものについて助言を得るのが最善です。
エンジニアとしてそれを行うプロセスは、聞こえるほど複雑ではありません。電気工学の仕事をする際に時間を奪うもの、つまり計算、回路設計、テストと検証、そしてドキュメント作成について考えてみてください。それぞれの機能についてソフトウェアソリューションを個別に探すこともできますが、現役のエンジニアに何が必要だと思うか尋ねるという方法もあり、私たちはまさにそれをあなたのために行いました。
私たちの調査が示す、あなたに必要なもの
私たちは電気エンジニアに、日々の業務で最もよく使用するソフトウェアツールについて話を聞きました。その結果、いくつかの人気があり実績のあるソフトウェアパッケージが一貫して挙げられました。そこで、時間を節約し、設計結果を改善し、作業を整理するために学び活用したくなるであろう、最も優れたソフトウェアツールについて私たちの見解を紹介します。

LTspice
SPICEとは、 Simulation Program with Integrated Circuit Emphasisの略称です。これは回路設計のためのグラフィカルなシミュレーションプログラムで、回路設計に基づくブレッドボードの作成やハードワイヤードボードの製作の必要性を減らす、あるいはなくすことができます。回路設計が複雑化するにつれて、1970年代に初めてリリースされたSPICEプログラムは、設計サイクルにおいて膨大な時間を節約してきました。
LTspiceは市場で最も広く普及しているSPICEシミュレーションのバージョンであり、業界標準となっています。LTはLinear Technologyの略で、この製品を最初に開発した会社であり、後にAnalog Devicesに買収されました。
このプログラムを使用すると、アナログまたはデジタル回路をモデル化し、変更し、テストし、基板の製造前に検証することができます。これにより、実際に設計を構築する前に回路の応答を簡単に可視化できます。実務では、LTspiceを使用することで次のような機能が利用できます。
- 回路の挙動に関する過渡解析
- 回路内の単一コンポーネントの挙動に関するAC解析
- パラメータ範囲にわたる回路性能を調べるためのDCスイープ
- 回路ノイズ低減のためのノイズ解析
- 重要コンポーネントの公差を調査するためのモンテカルロ解析
何より嬉しいのは、このプログラムが現在の所有者であるAnalog Devicesから無料でダウンロードでき、WindowsとMacの両方のプラットフォームで動作することです。CircuitBread.comの仲間たちも、学習を助けるLT Spiceの動画チュートリアルを用意しています。以下からアクセスできます。 Getting started with LTspice。

ALTIUM DESIGNER
Altium Designerは現在、世界中で使用されているプリント基板(PCB)設計用ソフトウェアツールの中でも、特に強力で広く利用されているものの一つです。回路図からPCBレイアウト、ハーネス設計、そして最終的な製造ドキュメントまで、PCB設計プロセス全体をカバーする設計環境を提供します。
このプロフェッショナル向けソフトウェアソリューションは、CADライブラリ、ルールおよび制約、部品表(BOM)、サプライチェーン管理、エンジニアリング変更指示書などのツールを一つのプログラムに統合しています。予想されるとおり、このプレミアムソフトウェア製品は無料ではなく、比較的高価です。ただし、評価用の無料トライアル版も用意されています。
Altium DesignerはWindowsとMacの両方のプラットフォームで動作し、設計者とその雇用主に次のような利点をもたらします。
- 高速なPCB設計、レイアウト、配線
- 部品配置と配線を可視化する3D CAD機能
- 高度な回路図を設計・検証する能力
- 簡単な回路図キャプチャ
- 製造向けのプロフェッショナルなPCBドキュメント
- メーカーの部品仕様への直接アクセス
- リアルタイムのBOM管理と部品在庫状況の情報
予想されるとおり、これほどの機能を持つソフトウェアには習得に時間もかかりますが、新製品の市場投入までの時間を大幅に短縮し、企業に大きなコスト削減をもたらすことができます。

MATLAB
MATLABとは、 matrix laboratory(行列演算実験室) の略で、数値計算、可視化、プログラミングのための高水準プログラミング言語かつ対話型環境です。つまるところ、数値を処理し、結果を可視化し、その作業を再現するためのコードを生成するということです。これは、先ほど触れたエンジニアリング業務における時間のかかる数学的部分にあたります。
MathWorksによって開発されたMATLABは、行列演算、関数やデータのプロット、アルゴリズムの開発と実装、ユーザーインターフェースの作成、データ分析、モデルやアプリケーションの作成を可能にします。組み込みコマンドにより、数学的計算の実行、プロットの生成、数値問題の解決を支援します。
工学および科学分野で計算ツールとして広く使用されているMATLABは、線形代数、プロットとグラフィックス、非線形関数、統計、データ分析、微積分、変換、曲線近似といった分野で大きな有用性を発揮します。その他の機能には次のようなものがあります。
- 豊富な数学関数ライブラリ
- データの可視化とカスタムプロット用の組み込みグラフィックス
- カスタムグラフィカルインターフェースを備えたアプリケーションを構築するためのオンボードツール
- 外部アプリケーション(C、Java、Microsoft Excel)と連携するための関数
MATLABは無料ではありませんが、その費用は法外なものではありません。価格モデルには、学術版(学生向け)、年間サブスクリプション、および永続ライセンス版があります。

LABVIEW
LabVIEWという名称は、 Laboratory Virtual Instrument Engineering Workbenchの略称であり、このソフトウェアツールの特徴をよく表しています。このソフトウェアはもともとNational Instrumentsによって、General Purpose Interface Bus(GPIB)を介してテスト計測器を制御するための仮想ワークベンチとして開発されました。それ以来、システム設計や運用という幅広い分野へと発展してきました。
LabVIEWは基本的に、あらゆる種類のシステムを開発できるビジュアルプログラミング言語かつ環境です。グラフィカルなインターフェースを採用しており、さまざまな要素をリンクさせることで、システムに必要なフローを実現できます。豊富な分析関数ライブラリに加え、カスタマイズ可能なインタラクティブ表示機能、そして計測器やデータ収集ハードウェアの自動化用ドライバーも含まれています。
現在、多くのエンジニアがデータ収集タスク、オペレーティングシステムの自動化、計測器・機器の制御にLabVIEWを利用しています。また、産業界ではテストやシミュレーションの実行、あるいは機械の性能や産業機器の監視にも使用されています。とりわけ、このソフトウェアの機能は、エンジニアが次のようなことを行う際に役立ちます。
- テストシステムを監視し、操作する
- データを取得し、計測器を制御する
- 一連のテストを自動化する
- 業界標準のプロトコルを使用して通信する
- テストシステムにリモートアクセスする
- データから知見を得る
- 高速な測定・制御システムを構築するためにフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)をプログラムする
LabVIEWソフトウェアはWindows、Apple、Linuxの各プラットフォームで動作します。パッケージは3種類の異なるバージョンでサブスクリプション形式の価格設定がされています。無料トライアルも利用可能です。
コミュニケーション系パッケージについてはどうか?
エンジニアリングソフトウェアツールとその仕事を楽にする能力について語ってきましたが、コミュニケーションについて触れないわけにはいきません。あなたの壮大な回路設計も、自分が何をしているのか、そしてどうすればそれを改善する手助けができるのかを同僚に伝える効果的なコミュニケーションツールを使わなければ、それほど意味を持ちません。
これまで取り上げたソフトウェアパッケージの中には他のユーザーとのやり取りを提供するものもあり、また会社によっては独自のコミュニケーションプロトコルを持っている場合もありますが、ここでは、質問を投稿して回答を得る機能も含め、あなたの仕事にさまざまなレベルの高度さを加えることができるソフトウェアパッケージやオンラインコラボレーションリソースをいくつか紹介します。よく知っているものもあれば、聞き覚えのないものもあるかもしれません。順不同で、以下のものが含まれます。
- Google Workspace
- Microsoft Teams
- Discord
- Zoom
- Stack Overflow
- GitHub
- Slack
- Jira Cloud
- Backlog
まとめ
この記事の冒頭で触れたとおり、電気エンジニアには、自分の仕事を整理し、管理し、改善し、伝えるのに役立つ、幅広いソフトウェアツールが用意されています。ご自身で調べれば、さらに多くの選択肢が見つかるでしょう。中には有料のものもあれば、無料のものもあります。
ただし強調しておきたいのは、世の中に存在するこうした知的でプロフェッショナルなソフトウェアツールを活用しなければ、時間とお金の両方を無駄にしてしまう可能性があるということです。
この記事を楽しんでいただけたなら、 CircuitBreadで公開されている、このブログの別バージョンもぜひご覧ください。