電子時代のスーパーボウル

ナショナル・フットボール・リーグは今年で100周年を迎え、試合とそのプレー方法は劇的に変化してきました。電子技術の影響はNFLの試合を大きく変えました。電灯によって実現した最初のナイトゲームから、選手の装備に搭載したRFIDチップを使ってフィールド上の動きを追跡する機能まで、その影響は多岐にわたります。

 

照明を使用してナイトゲームを行えるようになったことで、スポーツ、とりわけNFLは永遠に変わりました。最初のNFLナイトゲームは1929年、 NFL創設時の8チームのうちの2チーム、Chicago CardinalsとProvidence Steam Rollerの間で行われました。Steam Rollerの本拠地が大雨で浸水したため、試合は11月6日、ロードアイランド州プロビデンスのKinsley Parkで開催されました。興味深いことに、Wikipediaの投光照明に関する情報は、そのスポーツでの利用を主に扱っています。

 

『 投光照明 とは、広い光束を持つ高輝度の人工照明です。屋外スポーツイベントが薄暗い条件で開催されるときに、屋外競技場を照らすためによく使用されます』。

 

フィールドを照らし、夜間に試合を開催できるようになったことで、観客動員数は大幅に増えました。人々は仕事の後に試合へ行けるようになりました。照明の品質が向上するにつれて、フットボール場での利用も増えました。LED(発光ダイオード)の導入は、しゃれではなく、試合を一変させました。LEDは消費電力が少なく、寿命が長く、瞬時に起動します。停電後に『ウォームアップ』する必要がなく、長時間の遅延が生じないため、これは大いに歓迎されました。

 

LEDはスコアボードにも使われました。これも、当初は手作業だったNFLの試合運営の一部です。担当者がスコアボードにつき、カードを使って時間を示し、得点やその他の試合情報を掲示していました。電子スコアボードは応答を速め、より多くの情報を提供できるようにしました。デジタル計時が導入される前、クォーターの終了をスタートピストルの発砲で知らせていた時代からは大きな変化です。すでに 指摘されているように、『今日のスポーツ界では、競技フィールドと同じくらいスコアボードが見られています』。    


 

記録破りのスコアボードはCowboysのものです。『2009年、Dallas Cowboysは、AT&T Stadiumに設置した4面式の中央吊り下げ型高精細ビデオディスプレイでGuinness World Recordsに認定されました。MitsubishiのDiamond Vision® LED技術が、高さ72フィート、幅160フィートの2基のメインサイドラインディスプレイと、高さ29フィート、幅51フィートの2基のDiamond Visionエンドゾーンディスプレイに使用されました。重さ600トンのスクリーンは、競技面の中央から真上90フィートの位置に吊り下げられ、一方の20ヤードライン近くからもう一方まで伸びています』と Athletic Businessは報じています。

 

自宅やお気に入りのバーで試合を見る人々は、試合に導入された数多くの電子技術の恩恵を受けています。初めて会場に来た観客の多くが探してしまうイエローラインは、ファーストダウンを巡って激しく争う守備と攻撃を見守るファンにとって大きな助けとなっています。『バーチャル・イエローライン は、視聴者に試合状況を直感的に把握できるライブガイドを提供し、目立たない形でフットボール中継を向上させてきました。このグラフィックは、選手の上に単に載せるのではなく、フィールドに描かれているように見えるよう設計されているため、試合の邪魔にはまったくなりません』と Voxは指摘しています。このラインが初めて使用されたのは、1998年9月27日のBaltimore Ravens対Cincinnati Bengalsの試合でした。

 

ヘルメットスピーカーの使用が正式に始まったのは1994年ですが、この技術を最初に発明したのは1950年代のCleveland Brownファン2人でした。NFLはその使用を40年間禁止しました。現在は認められていますが、多くのファンが知らない数々の規則があります。Super Bowlを見る際は、各チームでスピーカー付きヘルメットを着用できる選手が2人だけであることを覚えておいてください。各チームの攻撃選手1人(通常はクォーターバック)と守備選手1人が特別なヘルメットを着用します。ほかにも、多くの人が知らない次のような規則があります。

 

  1. スピーカーは、プレークロックが切れる15秒前にオフになります。

  2. 話をするコーチはフィールド上にいなければならず、ブース内にいることはできません。

  3. 通信はコーチから選手への一方向のみです。

  4. スピーカー付きヘルメットを着用する選手のヘルメット後部には、緑色の点があります。

  5. 一方のチームのヘルメットが故障した場合、両チームのヘルメットが無効になります。

 

ちなみに、大学、高校、その他のユース試合ではヘッドセット通信が認められていません。そのため、ハンドサインや絵入りボードが使われます。

 

電子部品はNFLのあらゆる場所で使われています。以前コーチの分析用にプレーを記録していた図や紙は姿を消し、代わりにタブレットとタッチスクリーンが使われています。ただし、NFLでは携帯電話が禁止されています。New Orleansのワイドレシーバー、マイケル・トーマスは2018年、タッチダウン後にゴールポストのパッドに隠していた携帯電話を取り出し、30,000ドルの罰金を科されました。フィールド上やその周辺では、次の例外を除いて携帯電話は一切認められていません。『チームドクターとアスレチックトレーニングスタッフは、タブレット端末、携帯 電話、スマート フォン、または同様の機器をベンチエリアやロッカールーム内で使用し、選手のけがに関する情報を伝えることが認められていますが、競技上または戦略上の情報を伝えることはできません』と 24/7 Sportsは報じています。

 

選手の追跡もNFLで使われる技術の一部となり、フットボールにもタグが付けられています。『NFLの試合中に選手のパフォーマンスを把握するため、Zebra Technologiesは選手とボールの追跡システムNext Gen Statsを開発しました。NFL Player Tracking Systemとも呼ばれるこのシステムでは、スタジアム全体にセンサと受信機を配置し、フットボールと選手の装備に埋め込まれたタグを検出することで、ZebraのRFIDチップが試合や練習中の全プレーについて位置、速度、加速度を記録できます』と ThomasNetは指摘しています。

 

5年前、NFLは競技における技術の重要性を認識し、 第1回1st and Futureイベントの開催を支援しました。『1st and Futureは、選手の健康、安全、パフォーマンスに関するイノベーションを促すために設計されたNFLの年次Super Bowlコンペティションです。今年のイベントでは、NFL 1st and Futureアナリティクス・コンペティションと アスリートの健康と安全を向上させるイノベーション・コンペティションという2部門の競技が行われます。

 

これまでには、脳震盪手順に取り組んだ人や、首の筋肉を強化するトレーニング装置の特許を開発した人が受賞しています。別の例であるMobile Virtual Player(MVP)は、選手同士の接触によるけがの危険を大幅に減らしながら、コーチが選手を効果的に指導、訓練できる革新的な特許取得済みトレーニングプラットフォームです。MVPは、機動性が高く、遠隔操作でき、自力で起き上がる『バーチャル選手』をフィールドに投入し、フットボールのトレーニングに革命をもたらします。

 

当然ながら、インスタントリプレーはNFLにとって価値ある技術活用となっています。1986年に導入された当初の製品は扱いにくく、テープを物理的に巻き戻す必要がありました。NFLは1992年シーズン終了時にこれを廃止し、電子技術と映像技術が進化した1999年まで再導入しませんでした。

 

ウェアラブル技術の開発は、NFLとその選手会から支援を受けてきました。すでに次のように指摘されています。

 

『現在、ユニフォーム技術の最先端はスマート素材です。Under ArmourのCoreshortなど、ベースレイヤー製品の多くには、筋肉を安定させ、けがの可能性を減らすためのコンプレッション機能があります。各社は、水分を逃がし、保護を強化する軽量で高密度のフォームを備えた衣料品を製造しています。Nikeの新しいNFLユニフォームには、冷却やユニフォームを所定の位置にぴったり固定してつかみにくくすることなどを目的として、9種類の異なる素材が使われています。ランニングバックが、タックルしようとする選手をもう一人振り切れるようにするユニフォームは、これまでで最高の進歩かもしれません』。                                                                                                                                             Popular Mechanics

 

こうした技術はすべて、マイアミで開催されるSuperbowl 54で披露されます。技術企業の広告主も、視聴者層の変化と、このイベントが技術ユーザーをどのように引きつけているかを示します。Microsoft、Google、Facebook、Amazonはいずれも、TV視聴者に自社の技術を売り込みます。

 

試合をお楽しみください!

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